実は私、30代に入った頃から痔を患っていました。
恥ずかしくて病院に行けないまま数年経ち、とうとう放置できない状態まで悪化。3年前に内痔核(いぼ痔)の手術を受けました。
今回は、痔の手術体験について赤裸々に綴っていこうと思います。
手術・入院内容
- 症状:内痔核(Ⅳ度)※脱肛
- 手術内容:痔核根治手術
- 入院期間:7泊8日
病院探し、入院生活、手術後の痛みの経過など、当時私が知りたかったことや不安だったことを中心にまとめてみました。
公開するか迷ったのですが、お尻の悩みを抱えている人の参考になればと思い、書き記すことにしました。
念のためお食事中の方はご注意ください。
痔の自覚症状
痛みのような前兆は全くなく、初めて痔を自覚したのは「脱肛」です。
悲劇の始まり、いぼ痔が脱出
最初に異変を感じたのは、排便後の違和感。お尻から肉の塊みたいな物体が飛び出てきました。
なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?
この物体の正体が、内痔核(いぼ痔)。
内痔核とは
- 肛門の内側にある静脈層がいぼ状に膨らんでくる病気
- 便秘や長時間のデスクワークなど、肛門に負担をかけることが主な原因
- 症状が進行すると肛門の外に脱出する(脱肛)
最初は自然に引っ込んでいましたが、次第に指で押し込まないと戻らなくなりました。
乾いた状態で戻すと痛いので、ドラッグストアで買った軟膏を塗って戻す日々。
30代女性のモーニングルーティン、悲しみの脱肛戻し。
この時はまだ病院に行く勇気が出ず、5年ほど放置してしまいました・・・
脱出したまま戻らなくなる
ある日いつものように戻そうとしたら、押し込んでも押し込んでも戻らない!(泣)
内痔核の症状レベルを解説
- Ⅰ度:出血することはあるが、脱出しない
- Ⅱ度:排便時に脱出するが、自然に戻る
- Ⅲ度:排便時に脱出し、指で押さないと戻らない
- Ⅳ度:排便に関係なく脱出(脱肛)しっぱなし
Ⅳ度、、、つまり最も最悪な状態まで進行していたのです。
お尻に常に痔がはさまっている感覚がとにかく気持ち悪い。自転車通勤つらすぎ、仕事にも集中できない。もう、絶望的状況・・・
出っぱなし状態から1週間後、ついに病院に行く決心をしました。
当時のネット履歴は「痔」だらけでした。人に見られたら人生終了。
【痔の手術体験記】初診〜手術を決意するまで
ネットで肛門科のある病院を探し、2つの病院で診察を受けました。
病院探し①:最初の病院は診察のみ
はじめに、近くにある小さなクリニックで受診。
肛門科の敷居は高いものでしたが、横になってお尻をチラッとだけ出す体勢なので意外と大丈夫!
こんな体勢
お尻が全開にならないよう、タオルをかけてくれました。
婦人科検診の正面開脚に比べたら、恥ずかしさレベルはかなり下です!
脱出している状態を配慮してか、少し触る程度で痛いことは全くされませんでした。
ですよね・・・予想通りの結果です。
この病院は日帰り手術しか選択肢がなく、院内の雰囲気も少々不安があったので別の病院を探すことにしました。
いきなり手術を受けなさい!なんて強要されることはありませんでした。判断するのはあくまで患者ということですね。
病院探し②:次の病院で手術を決意!
地元に痔の手術で有名な病院があると知り、有給をとって受診しにいきました。結果は最初の病院と同じで、やはり手術が必要な症状レベル。
少し迷いましたが、この病院は入院で手術後のアフターケアをする安心感がありました。
- 手術後の痛み
- 排便コントロール
- 食事
一人暮らしだから入院した方が安心できるし、早く脱肛とおさらばしたい…ここで手術を受けよう!
入院設備が整っていて、院内の雰囲気も明るくてキレイ。その場で手術を決意し、入院手続きをすませました。
【痔の手術体験記】病名を隠して有給取得
会社への報告は、「手術を受けるため入院します」とだけ上司(男性)に伝えて病名は隠しました。
痔であることは絶対に知られたくない!
これ以上聞くなオーラを全力で出したので、詮索されることはありませんでした。よかった…!
1〜3日ほどの有給であれば「私用」ですみますが、さすがに1週間以上となると何も事情を話さないわけにはいかず…
【痔の手術体験記】入院・手術
いよいよ入院当日。ここまできたら、もう覚悟を決めるしかありません!
手術の前準備
お尻の手術なので、まず看護師さんに浣腸されて中の物を出します。
前準備の流れはざっくりこんな感じ
- 浣腸
- 大腸内視鏡検査
- 腰椎麻酔
トイレタイムが終わったら次は大腸内視鏡検査。定期的に検査を受けていますが、いつも麻酔で眠った状態でした。今回は意識がある中での検査のため、腸の下部分だけとはいえ結構キツかったです。
そして手術室へ移動し、腰椎麻酔を打たれます。横になって限界まで体を丸めて背中に注入。チクッとする程度でそれほど痛みはありませんでした。
手術台に乗るとまな板の上の魚の気分だなぁ・・・
(などとアホなことを考えて恐怖心から逃れようと必死)
\もう逃げられない/
手術
下半身の感覚が無くなり、いよいよ手術開始。
体勢はうつぶせ(意識全開)
何やらメスを入れているようですが、麻酔のおかげで痛みは全くありません。時々お尻(腰全体)が引っ張られる感覚だけあります。
最初は緊張と怖さでどうにかなりそうでしたが、先生と看護師さんが気さくに話しかけてくださいまして、心が落ち着いてきました。
「ここのご飯は美味しいよ〜」とか、笑いながら談笑する和やかな雰囲気。お尻を切られているのになんとも不思議な光景。笑
手術後:徐々に麻酔がきれて痛み出す
夕飯の時間ぐらいに麻酔が少しずつきれ始めます。お尻が熱くジンジンとした痛みが・・・
\いてててて/
完全に麻酔がきれたわけではないので、夕飯を美味しくいただく余裕はありました。手術後のためか、パンとバナナだけの軽食。
アップルジュースが美味しかった!
消灯時間になると完全に麻酔がきれて、お尻の痛みがピークに達します。あまり眠れない夜を過ごしました。
夜中、様子を見にきた看護師さんが痛み止めを追加で処方してくれました。
「我慢せずナースコール押してくださいね」と言われ、泣きそうになる。
手術翌日:安静の一日
夜中の汗をかくほどの痛みに比べると、朝方はだいぶ楽になってきました。
手術翌日は極力ベッドから動かず安静にするように言われていたので、大人しく過ごします。
朝食
この日、毎日アップルジュースが出ることを知る。地味に嬉しい!笑
ご飯食べる時はお水が飲みたいので、ジュースはおやつの時間にとっておくことにしました。
傷口に当てるガーゼ
手術後しばらくは血だけでなく浸出液も出てくるので、下着を汚さないようガーゼ
お尻を清潔を保つために、定期的にガーゼ交換をします。完全に出なくなるまで1ヶ月ほどかかりました。
手術2日後:出ない!
痔の手術後の最大の試練が、最初の排便です。出したくない気持ちが相当あるのか、全く便意がこない・・・
手術で切ったところを容赦なく擦りながら通るのかと思うと怖くて怖くて…
傷自体は順調に回復しているとのこと。便をやわらかくする薬に加えて、下剤を処方されます。
この日から入浴OK
お風呂はないのでシャワーのみですが、お湯を入れた洗面器にお尻を浸す座浴をします。
\めっちゃ気持ちいい〜!/
血行がよくなることで痛みが緩和され、清潔なお尻を保てるので傷の治りが早くなります。
手術後3日目:出たー!
朝方、ようやく便意がやってきました。
怖くてなかなか力を入れられませんでしたが、ものすごい勇気を振り絞ってひと踏んばり!
めちゃくちゃ痛くてひくほど便器が血で染まりましたが、ようやく出せた安心感が半端なかったです。
手術後4日目〜6日目:快適な入院生活
正直言って、入院生活は快適そのもの。テレビを見たり、スマホで動画や漫画を見たり、屋上で外の風をあびたり、ぼ〜っとしたり。
仕事も家事もせず、これほどのんびり体を休められたのは人生で初めてです。
日を追うごとに排便時の痛みも減っていきました。
決まった時間にご飯を食べて睡眠時間もたっぷり。超健康的生活!
手術後7日目:退院
傷の治りが順調なので、予定通り退院することに。
遠方のため1ヶ月分の薬(便をやわらかくする薬と下剤)を処方していただきました。
ここから一人暮らしの日常生活&仕事復帰の道へ。
【痔の手術体験記】退院後の復帰レベル(日常生活・仕事など)
退院後、元通りの生活が送れるようになるのか?ものすごく不安でした。
手術を悩む人にとってはとても重要なことなので、復帰レベルを簡単にまとめます。
退院後の復帰レベル
- 手術11日後:排便時以外はあまり痛みを感じない程度に回復、無事に仕事復帰
※デスクワーク - 手術2週間後:日常的な家事の負担はほぼ無くなる
- 手術3週間後:関西→東京へ日帰り出張
※痛むことなく無事に帰還 - 手術1ヶ月後:浸出液が出なくなる・自転車通勤復帰
※この時まではバスを利用 - 手術1ヶ月半後:排便時の痛みがほぼ無くなる
- 手術2ヶ月後:お尻の違和感ゼロ、手術したことを忘れるレベルまで回復
- 手術3ヶ月後:GLAYライブ復帰!元気に飛び跳ねる
個人差はあると思いますが、内痔核Ⅳ度の最高レベル痔主でもここまで回復することができました。
3年経った現在、再発はしていません。
お尻から何も出ていない、出てくることもない。泣きたくなるほど嬉しい。本当に、本当に手術を受けて良かった!
【痔の手術体験記】入院してよかったこと
手術後の生活に不安があったので、入院したのは正解でした。
- 痛い時に対処してくれる
- 排便コントロールをしてくれる
- 傷の回復具合を診てくれる
- 栄養満点の食事つき
- 家事しなくていい
- 会社に行かなくていい
一番の安心感は、何があっても対処してくれること。
痛い時は薬で対処してくれたり、便が出ない時は浣腸してくれたり。
食事も美味しい
想像していた入院食のイメージとは違い、美味しくて満足度の高い食事でした。しっかり食べて出すことが大事ですもんね。
食事の準備も片付けもしなくていい環境は本当に助かりました。
仕事とはいえ、毎日気にかけてくれる先生や看護師さんの存在が本当に心強かったです。
【痔の手術体験記】入院費用
私が入院したのは個室部屋(トイレ付き:4,000円)でした。個室にしては安い方だと思います。
7泊8日の入院費用の合計は、
113,500円(3割負担)
手術費や食事、上記の個室代や薬代など全てを含んだ金額になります。
【痔の手術体験記】退院後の生活で気をつけたこと
退院直後だけではなく、再発しないために気をつけているポイントを紹介します。
湯船に浸かる
傷の治りを早くする近道は、お尻を温めて清潔に保つこと。血行をよくすることは再発防止にも繋がります。
シャワーしか浴びない生活をしていましたが、退院後は毎日入浴するようになりました。
最近またシャワーだけの生活に戻ってしまったので、せめて秋冬だけでも毎日浸かるようにしたいと思います。
おしりセレブWETを使う
入院中はウォシュレットを使っていました。
私の住む1K部屋にはないので、おしりセレブWET
トイレットペーパーに比べるとお尻への負担が少なくて優しい!
今でもずっと愛用中
極力お尻に負担をかけない
再発しないために特に気をつけたいのがお尻への負担を減らすこと。
- 便秘に気をつける(食事・水分)
- 同じ体勢を長時間続けない
- 重い物を持たない
便秘体質なので、積極的に水分を取ったり、食生活には気をつけるようになりました。
職場ではデスクワークのため、どうしても座りっぱなしになりがち。1時間に1回は飲み物を取りに行ったり、トイレに行ったり、意識的に動くようにしています。
おうち時間が増えたので、自宅でも同様。
椅子には円座クッション
椅子と床座、交互に行き来して同じ体勢になりすぎないように注意しています。
重い物を持つのもご法度!
手術の経験は、物を減らして生活の負担を無くしたいという考えにいきつき、ミニマリストを目指すきっかけの一つになりました。
一人で悩まず病院へ
今回は、私の痔の手術体験談をお話ししました。
症状によって治療法は異なるので、まずは病院に行くこと!
医師も看護師さんも毎日患者のお尻を診ているので、恥ずかしがらなくて大丈夫。
誰にも言えず、思い悩んでこのブログにたどり着いた方の不安が少しでも解消されることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
出血や脱出は他の病気の可能性も捨てきれません。早めに病院に行くことをおすすめします。